カバラ秘教の天使は、天使を研究する天使学の基礎となったといわれています。
カバラはユダヤ教の伝統に基づいた秘教で、伝説によると、大天使ラジエルが最初の人間アダムに教義を明かしたと語られています。モーゼはエジプトでカバラの達人になったといわれ、旧約聖書にその原理を封じ込めたそうです。
カバラの72守護天使の誕生は、フランスのカバラ学者たちがカバラの学校を創立した11～12世紀にさかのぼります。
当時、さまざまな文化や民族が行き交っていたフランスは、数多くの信仰が交錯した場所でもあり、錬金術や占星術、キリスト教、イスラム教、その他さまざまな宗教や思想を取り入れながら、天使学が確立していきました。
しかし、当時のカバラ研究の中心地スペインのジローナにあった学校が、15世紀のスペイン異端審問で閉鎖されてしまいます。カバラ関係者はキリスト教に改宗させられたり、追放されたりしました。
それから5世紀後の1975年、埋もれていた72守護天使に関する文献が、ジローナでのユダヤの洞窟の発掘で発見されました。1980～1990年代、その書物や関係資料がフランス語に翻訳されてまとめられ、パリの出版社から刊行されました。
72守護天使については、12世紀のフランス・プロヴァンス地方で初めて一冊の本にまとめられた「ゾーハル（光輝の書）」ですでに記されています。
この書物によると、天使の神聖な任務は、神の特定の資質を私たち人間に吹き込み、性格などを通して表現させることです。
72の天使は、それぞれ独自の名前、資質、機能を持ち、特定の日と時間に配置されており、その日時に生まれた人間に特別な影響を与えます。
カバラの教えは、世俗社会に暮らしながら、神のように輝くほど清らかになるまで自らを磨くことにあり、精神と肉体を洗練する修業として瞑想を行います。
72の守護天使の名は、｢出エジプト記｣の３つの詩句（第14章19、20、21）のヘブライ文字を組み合わせてつけられました。22のヘブライ文字にはひとつひとつ神聖な意味があるため、天使たちの名前を唱えるのは瞑想法のひとつとされています。
ひとつずつ天使を知覚することで、魂を浄化し、そのパワーを受け取ることができます。つまり、72の聖なる光（守護天使）をすべて修得した人間は、神に最も近い完全な存在になるというのです。
生命の樹と9の天使ファミリー
72の守護天使は、カバラ秘教やキリスト教といったさまざまな教義が融合して構築されました。
占星術の影響も受け、牡羊座の初日3月21日に第1番目の守護天使が配置され、そこから1年を72に区切り、5日おきに天使をめぐらしています。
カバラの72守護天使は、9の天使ファミリーに分けられます。天使ファミリーは8の天使とリーダーの大天使で構成されています。
これら9の天使ファミリーは、カバラ秘教の「生命の樹」の9つのセフィラ（球体）を拠点にし、これらすべての天使ファミリーは互いにつながっています。
「生命の樹」は、人間の魂が神のもとへと到達するために通過しなければならないさまざまな段階を表すといいます。
ですから、神に近いセラフィムのエネルギーは神の本質に近く、エンジェルズのエネルギーは人間の本質に近いのです。
セフィラと9の天使ファミリーの関係図
9つの天使ファミリーは宇宙の意志を伝え、人間の本質的な性質を意味します。
それぞれが自分の見守る人間の人生計画に関連する特定の使命を持っていますが、すべての天使ファミリーの第一の使命は、助けを求める人を助けることです。
天使ファミリーが使命のために団結するときに発せられる力は言葉では言い表せないほど強烈です。
72守護天使についての詳細は電子書籍で！
